さて、新年である。
私の住むあたりにも冬が来た。日の出頃には霧がたちこめ、水田地帯を白く塗りつぶす。南中までには霧が晴れ、川の流れの彼方に水色の山が見える。マスクを着けていることがほとんどだから、息の白さはまだ実感していないけれど。いずれにせよ年明けを実感する日々である。
旧年中は歴史学を中心に多くの記事をご覧いただくことができた。
2025年はなかなか混迷の1年でいろいろと感ずるところのあった方も多いことだろう。このような世界にこそ歴史学は必要である。
古代の歴史家タキトゥスは歴史記述のもっとも重要な任務は美徳を闇から闇に葬らないこと、それとともに邪な言行を書き留めて、死後の汚名に対して人々が恐れを抱くようにすることである、と述べている。
古代と現代では歴史叙述の形も大きく変わってしまっているが、過去を通じて今を生きるというのは古今東西を通じて変わらぬ歴史の効用であろう。
読者諸賢が思考の糧となるように、本年も歴史学はもちろん、人文諸学に関する記事をお届けできればと考えている。
とまれ、いろいろと冗言を述べてきたが、伝えたいのはただ1つだ。
本年も変わらぬご愛顧、お引き立てのほど、何卒宜しくお願いを申し上げます。


